11/9ベガルタ戦・雑感
 宮スタ「交通アクセス最低!」という、見出しが躍った、11/10付の河北新報や、各スポーツ新聞。正直なところ、今更、また何を言うのか、という感じを抱いた。宮スタを知っている者にとって、交通アクセスのことは切っても切り離せないことと、わかっている。だから、来春、どうしても10試合程度はやらないといけない、ベガルタ仙台と、そのサポーターの中には、「交通アクセス最低!」と、のたまわった新聞報道の安易な批判記事に、あきらめ感や、あるいは少々の抵抗感をもった人もいたと思う。
 いわく、今回は、本当に「他人事」ではない
 5年に1回(あ、失礼!)の代表戦ではない。10試合程度もあるのだ!あの宮スタで。
 じゃあ、どうする? と、ばかりに他人事ではないから、一緒に考えろ、と、サポーターに振った、ベガルタ仙台の姿勢はそれはそれで理解はできるが、じゃあ、何であんな安易な仕切りで、当然分かっているような、渋滞と交通の混乱を招いたのか、という説明は、誰もしていない。説明責任。
 ここが最大の問題である。
 来春、10試合程度を宮スタでやるための、試験の1試合を、大事な大事なJ1昇格のかかった大一番で、試したのだ。これはいろんな意味で、深い。深すぎる。宮スタ開催を決めたのは実は春のことだっただろうから、大事な試合になるかどうかはわからなかったとはいえ、最近5年(ああ、J1をバイバイして5年の月日が流れたのだなあ〜〜)のベガルタ仙台の通年の戦い方を見ていれば、11月に大一番が来そうな感じ(かなり肯定的にとらえて、の話です。ここに突っ込みはなし)の中での、宮スタ開催でした。
 察するに!、宮スタ開催はお金がかかるので、できるだかお金のかからない運営方法の極限を試そう!、という考え方が根底にあった、と思われる。警備員の数を最低限度にするなど、どれもこれも最低限の運営費で何とかならないか。いつもは犬猿の仲(?)の宮城県サッカー協会や、グランディ・21とともに、一緒になって最低ラインでやろうとしたのが、
  • 無料駐車場 2,000台
  • 金のかかる仙台駅シャトルバスはなし
  • ゲート数もユアスタ開催程度と、あまり開けなかった
  • 反面、ベガルタ仙台ボランティア以外にもボランティアを招集して、300名近くを配備し、観客誘導にあてる
などという企画であった。だが、ここに最大の落とし穴があったのだ。

1)2,000台を超える車をグランディ・21からの出すには2時間は必要
 どんなに小細工をしても、2,000台を超える車を出すには2時間は必要。何せ3カ所しか出口はないのだから、1カ所700台として、700÷120分=約6台/分で、10秒に1台出している勘定。これを5秒に1台にするのはシャトルバス、ツアーバス、選手や関係者車両など(泉口を専用ゲートにした)を考慮すると相当に大変。
 今回は予想以上の車がきて、できるだけ中に入れてしまったために、おそらく4,000台以上がグランディ・21の中にいたので、2時間半近くもかかったのであって、計算上はやむを得ない。というか、そういう意味では警備はよくあんなに超高速スピードで出した、と思う。
 で最大の問題は、そういう「時間がかかる!」「2000台限定!」という広報活動が十分にされていたかどうか、ということ。

2)無料か有料か、ということ
 無料のため、運転手1人で1台の車両が多くきたことや、利府町の住民の車もたくさんあったことなどが、ある、これと渋滞とは切り離して考えるべき。確かに、1,000円にすれば車両数は激減するが、有料なのに出るのに2時間かかったり、駐める位置によって運不運が決まるようだと不満は爆発する。それだけ警備員の人数が必要になるが、文句の大合唱は必定!

3)ヒューマックス(青葉台ヘリポート)やサッカー場の駐車
 非常に遠いところに駐めたので、キックオフに間に合わない、歩きすぎて疲れた、という不満が爆発! なにせ、中も無料なのに・・・
 でも出庫は当然スムーズで、徒歩で到達したら、スタジアムを出てから最短30分程度で出庫できたようだ。グランディ・21で出庫に2時間かかった車と比較すると、まだまし、という感はある。

 となると、グランディ・21の駐車可能車両数に関わらず、2,000台を超える駐車を許してはならない、また、それ以上になる場合は遠方の駐車場からの徒歩になる、ということを事前に明記すべき。
 同時に、仙台−利府−スタジアムのアクセスを順調にすることが肝要。河北によると、田嶋理事は1時間かけて仙台駅から来られた、と記事にあったが、仙台−利府は昼間は20〜25分。利府−宮スタは10〜15分だから、いわば普通の状況。
 故に今後もこれまでと同様に、公共交通機関を重点的に考えて、利府駅シャトルをスムーズに運行させて、駐車車両は2,000台をMAXにするということを明示し、それを超える場合は利府町などの協力を得て、遠方に駐車せざるを得ない、ということを、事前に十分に周知徹底する必要がある。

 さらに、多くのボランティアをはじめとする関係各位は、宮スタが不得意、これが実は最も重大な問題であったわけ。外の混乱は中が知らず、中の混乱は外は知らず。
 売店、トイレ、ゲート、再入場。どれをとっても中は混乱していた。加えて、初めての人が多い、利府町民の数を読めず、自由席南からサポーター自由席がほとんどフリー化し、かつ、Sバックゲートも実に大変!
 みんなが「やんだくなった・・・」
 とはいえ、何とかしないといけないわけで、運営費を切り詰めつつ、最大限の努力をしないといけないのだ。

 最後に、「そんなの関係ねぇ・・・・」と、腕を振っている宮城県関係者に言っておく。5万人を収容する宮城スタジアムは、通常の公共交通で5万人の交通アクセスを確保できない、実に中途半端なスタジアムであることを、きっちり肝に銘じて知っていてほしい。
 このページで、路面電車の導入などを述べた最大の理由は、その中途半端さ、である。
 いわば、宮スタは、大宮暫定開業の東北新幹線のようなものであり、東京・上野からのリレー号が全く発車されていなかったら、当時は京浜東北線しかないわけ。でもあっただけまし。宮スタにはそれさえ、ない。
 もっと言えば、レインボーブリッジを半分行ったところで、工事中止。あとは泳いでいけよ、って。それって・・
 
 ともかく、サポーターがモチベーションを十分に上げて、応援できるような状況にもっていきたいもんだ。現状では、せっかく家であげたモチベーションが宮スタ到着時に地に落ち、帰りにはさらに元気が失われていくわけで・・・(ざ・ん・ね・ん!)